整形外科のリハビリ(四十肩)に通って見えてきた風景

姉さん、整形外科で週に三回、理学療法士のリハビリに通うようになってしまった。
四十肩で。同じ時間帯にも同じくらいの年齢の女性が同じトレーニングをしていて、変ではないらしいよ。
三割負担で1回730円。

結構設定がスパルタで、整形外科なのにトイレは和式(さすがにボットンではない)。リハビリルームは2階。リハビリルームには歩行訓練器っぽいものも置いてあるんだけど、階段しかない。
足腰が弱ってあの階段を登れなくなったら多分リハビリの効果がないですよ、ということなんでしょうか。恐ろしい。

n(患者)もN(病院)も、n=1、N=2くらいでしかないけれど、観察してみると結構面白いこともわかった。国民皆保険制度へのヘイトを撒き散らす人の認識がずれてることもよくわかったから、メモしとく。

やっていること。1時間45分から2時間かける

タイムスケジュール的にはこんな感じ。

9:30
整形外科に入る(受付で体温測定)そのままリハビリルームへ行って、荷物を置き、血圧と脈拍を計測。
ロッカーなどはない。コートはハンガーにかけることができる。カゴに荷物を入れて、椅子の下に入れるだけ。

9:35
ストレッチしてる。
前の人のマッサージが終わったら理学療法士に呼ばれる。これはもちろん日々ズレがあって、ある日は10時過ぎて呼ばれたし、ある日は到着したらすぐ呼ばれる。
その間ストレッチしてたり、運動療法を先にしたりする。

9:45
理学療法士が筋肉を触って、状態の確認をしながら、揉む。揉む場所は毎回違っていて、ここを調整して次はあっちを、という計画があるんでしょう。
これですごく楽になります。どこを揉まれたかなーという感じで、お風呂の中で揉んでる。

なお、胸のリンパは細いのでやっちまいやすく、胸のリンパよりも脇のリンパの方が太いのでこっちを揉む方がよさげ。

私は今のところ前の胸筋を伸ばすのが苦手で、ここがあまりうまく伸びてないから、他の筋肉が引っ張られて肘の手前あたりに痛みが発生する模様です。

初回と、月に一度のリハビリ継続するかどうかは、計測するのでそのときは35分から40分くらい。それ以外は25分から30分くらい。

10:05
電気ビリビリ10分間
下の治療器ルームにもあったビリビリ(正式名称がわからん)でビリビリしてる。
これがまた気持ちがいい。

10:15
マット体操
左右のバランスが取れてないということで、かまぼこ型のポールの上に寝そべってやる体操。

初めはかなり辛かったけれど慣れてきた。右側の肩甲骨の裏のコリも楽になる感じ。
先に運動療法で動かしてからだと、動きが比較的滑らかになる。
終わったら運動療法の続き。

10:30
みんなで肩の体操
私の次の人のマッサージが終わったくらいから、そこにいる人みんなで肩の体操をする(任意参加)
腕があげられなかったから、参加できるようになったのは最近です。
やっているのは、肩と背中の筋肉を使う体操らしく、きついのなんの。
80代のおばあさんが息もきらさずやるんだけど、姉さんは横でヨレヨレ。

家でお風呂上がりにストレッチと一緒にやってるけど、家では合わせて5分くらいになっちゃうwww

これまた任意参加だけどラジオ体操もある。そこまでは無理。ひいひいって離脱してる。ひいひいにならなくなったらラジオ体操まで参加できるかも。

10:50
運動療法
テレビ(ウンと遠く、しかも音もそんなになくて画面も小さい)を見ながら運動療法の続き。
おばあさんたちは下の治療器ルームに行ったり、帰ったりする。

11:15
器械の順番待ちなどがなかったら、これくらいの時間に最後のストレッチをして終了。

運動療法士曰く、「今日は早く帰りたいとか、もっとやりたいというときには言ってくれればできます」

なので、8時45分くらいに入った時には、負荷をもっとかけたり、20回を30回にしたりして、11時くらいに終了している。

買い物をしたり、メルカリを出したりして帰る。少し早く家を出て運動を少し少なめにして、月に一度の内科の診察(12:30までやってる。12時には入ってないと。ただし、門前薬局まで回って出られるのは13時くらいのことも)を受けて帰ることも。

雨がほとんど降らない時期だし、帰りは体もポカポカしてるから2.5キロを45分間歩いて帰ることにして、行きは寒いのでバスにした。

翌日は体が筋肉痛です。

持っていくもの

リハビリルームで履く靴と、タオル。あとドリンク。飲み物は近くにドラッグストアもあれば、院内に自動販売機もある。

靴は上履きを借りられなくはないけど、このご時世だし姉さんは持って行ってる。運動療法をメインにしている理学療法士が、フォームチェックをしたり喋ったりしながら機器やグッズを拭いたりしてるけど、上履きはすぐには乾かないぞ。

着替えるところはないから、動ける格好で。

ちょうどスニーカーはそろそろ買い換える時期でもあったからこれにした。リハビリを卒業したら普通に履こうと思って。

確かに後期高齢女性が多い

午前中のリハビリルームはぱっと見、80前後のおばあさんたちが多い。午前に行くからかもしれないけれど、90%が女性。全体では85%までが後期高齢女性です。
80代男性でリハビリルームまで行って体を動かせる人は少ないようで、せいぜい70代だろうなあという男性が数人いるだけです。

2021年は下にある治療器ルームだけで緩和したのだけど、あそこは長くて25分しかいなかった。あっちは午後に行ってたからなんとも言えないけれど、仕事の合間に抜けてきたのかなという作業着の男性も治療を受けてた。

その代わり、今午前中に一緒に体操しているおばあさんたちはいなかった。

多分午前中はおばあさんたち、午後は現役世代なんだと思う。

ここは午後は割に遅くまでやってて、19時まで。始まるのが遅くて15時からで、15時に開始して17時に終わるのでは、姉さんは車で往復するかバスで帰るかしないと、暗くなったらキモいのよ、お山に登るところが。自転車でシャーっと登るならいい道も徒歩は嫌。それではせっかくの運動にならない。それで、午前中の予約を、姉さんがおばあさんたちと奪い合っているのは事実です。

しかし、現役世代が2時間のリハビリを受けるのが難しく、土曜日の午前中の予約がなかなか取れないかもしれない。

17:00に職場を出て、混む時間帯を運転して17:15から19:00のリハビリか…。場所によってはできる人もいると思うけど。多分17:30から19:00の少し短いリハビリになるのではないかな。

おばあさんたちは朝リハビリを受けるから、「老人がリハビリするから現役世代のリハビリの予約が取れない」ではなくて、土曜日午前中、平日午後遅くの限られた椅子を現役世代で奪い合ってるんだと思う。

19時までの理学療法士のマッサージを二人にすると、肩の人と足の人(マットでやってる)とで器具などの追加なしにできなくはないけれど、今度は運動療法をしている人の指導がしにくいから理学療法士を三人にしないとできない。午後だけ三人体制…。それも厳しそう。

問題は平日に2時間のリハビリと往復に休めない、現役世代の職場環境の方かな。

あのおばあさんたちがいるから、リハビリが維持できるのでは?

私は電気ビリビリ治療も上のリハビリルームですませるけれど、おばあさんたちは電気ビリビリだけではないらしく、下の治療器ルームと緩く入れ替わってる。やっぱり1時間30分から2時間いるようで、リハビリルームには20人いるかいないか。私も1時間45分から2時間いる。

3割負担で730円だから満額で2500円くらいとして、みんなそれくらいだとする。330円です〜と言われてる人もいたので、この人が1割負担だとすると、3300円。

木曜日と土曜日以外の四日間は8時間営業、木曜日と土曜日が午前中の4時間営業なので、週に5日間8時間営業として、パーっと計算してみるけれど、2時間ごとに20人として、リハビリルームだけで週に最大100万円くらいの収入になりそう。治療器ルームは別カウントだけど。

でも、医者+専属の理学療法士二人だけで成立するものでもないし。受付さんに、この時代は掃除が大切。一日中上から下まで掃除して回る人がいるのだけど、すごく丁寧に掃除なさる。下の治療器ルームにはナースも三人専属でいて、一応理学療法士のテリトリーになってるけど、治療器ルーム付きのナースが入ってこないわけでもない。人件費だけで週に50万円は飛ぶでしょう。

土地と建物は、うちのあたりの開業医はおそらく自社物件。開業した同級生を見ても大抵親が持ってたり配偶者の親が持ってたりする土地の上に開業してる。建物のメンテナンス費用と税金はかかるだろうけれど、この整形外科はローンは終わってると思う。というのも、自転車通学路上だったので、中学生高校生の間にお世話になったこともある。おかげで診察券の番号が若い若い。桁が違った。

次は機器だけど、運動器具にも治療機器にもリースのシールはなかった。リースかもしれないし、買い切りかもしれないし。

固定費の計算は機器がわからないからストップするけど、いずれにせよあのおばあさんたちがいなかったら、多分あのリハビリルームの維持は無理じゃないかと思う。

実は2.5キロの間にもう一つ整形外科がある。(内科3つ、小児科2つ、皮膚科2つ、婦人科1つに、ついでに歯科も2つに獣医1つ通って、介護施設3つ、奥に入ればターミナルケア病院まである。自転車通学路の方を通ればショートカットできて1.6キロくらいかな。こっちは耳鼻科1つと眼科1つに歯科2つ。郵便局1つにコンビニは2つあるけど、スーパーがない。2.5キロの方だと、スーパー3つ、ドラッグストア2つにコンビニ1つ郵便局1つもある)

あっちの整形外科が一番近いので腰痛で行ったことがある。理学療法士がいなくて、リハビリは医療機器だけ。建物が狭いのもあるけど。それもあって、午後は普通に14:00から18:00です。

17:15から入れる、運動療法まで含めたリハビリ科を維持するためには、平日の午前中に来られるおばあさんたちがいないと無理なんだな。団塊の世代がいなくなった頃には多分院長先生も引退だろうから、継ぐ人や患者込みで買う人がいれば話は変わるだろうけど、まあそんな感じなんでしょう。

やばいな。同世代が親の病院を継いでくれなかったらお山から引っ越さないとならんぞ。みんな帰ってきて!

湿布の無限サブスク!?ではない

2021年の四十肩事件は、1回の診察と4回の電気ビリビリで良くなって2回目の診察で「終了」だった。このときは1回目の診察で痛み止め10日分+湿布2パック。ロッキーさまでお腹がゆるくなりやすい!?というのが判明した回。

2022年の11月からは、1回目の診察で「多分リハビリがいると思うけど、前回電気だけで楽になったならやってみたいでしょ。一週間電気やってみよう」で痛み止め(カロナールに変えた)10日分+湿布2パック。電気ビリビリ4回に処方箋は出ないし。翌週「やっぱり楽にならないか。痛み止めまだいる?じゃ、リハビリで」でカロナール10日分+湿布2パック。その後に台湾旅行に入るわけで、カロナールを持って行けたのは安心材料の一つだった。夜お風呂上がりに湿布して、朝外して出かけてた。

12月の次の一ヶ月のリハビリを確認する診察では、「動かなかったら痛みはないけど、急に動かすとまだ痛い。腕をこう伸ばすと、伸ばすとまだ自分の腕じゃないものを肘で支えてるような気がする」と答えたのもあると思う。痛み止めも湿布も聞かれなかったよ。ここでも湿布いる?と聞かれたらそりゃ、整形外科の湿布サブスクか…と思わなくはないんだけど、聞かれないもん。

で、週に3回顔を合わせれば、いくらなんでも顔を覚えるし、みんな門前薬局の前を通るルート設計になってるけれど、同じときに整形外科を出た人で、この門前薬局に入っていくおばあさんを見たことはないねえ。

そりゃ、院内処方で無限湿布サブスクの病院がゼロではないかもしれないけど、少なくとも無限湿布サブスク状態の整形外科ばかりだというのはあまりに暴論に過ぎる。

自分で通って、観察してみると面白いことがわかるよ。

なので、平日に病院に通えないなら、職場環境の改善が先だ。